【広報担当あるある?】なぜか捨て案が選ばれる理由

はじめに「なんでそれ選ぶんだよ弊社!!!!!!」

デザイン案の提出を求められ、3案そろえて提出。

選ばれるのはきっと本命のA案かC案だよね!特にC案は自信作だしね!

と思っていたら、よりによって“捨て案”であるB案が選ばれてしまった!!嘘だろ弊社?嘘だよね社長?

なんてこと、ありませんか?

私自身、ふざけ半分()で作った案がそのまま社長に採用されてしまい、「え、そっち?」と心の中で大草原を生やしてしまったことが経験、あります。

デザイナーや社内のウェブ担当であれば、こうした出来事は一度は通る道・・ですよね?

この記事では、なぜ捨て案が選ばれてしまうのか、その背景にある心理や構造を整理していきます。

最後には、捨て案を選ばれても慌てずに整えていくためのコツもまとめたので、実務で悩んでいる方の参考になればうれしいです。

そして笑い飛ばしましょう。


そもそも「捨て案」とは何か?

デザイデザイン業界でいう捨て案は、単に「手抜き案」や「適当に作った案」ではありません。
むしろ、本命案をより魅力的に見せるための“比較対象としての役割”を持っていることが多いです。

デザインの採用判断は、案そのものの良し悪しよりも、「比較したときにどう見えるか」が大きく影響します。
そのため、あえて方向性をずらした捨て案を入れることで、本命案の強みがはっきりと浮き上がるという効果があります。

捨て案が持つ役割は大きく分けると次のとおりです。

● 1. 本命案の“良さを引き立てる”ための比較軸

本命案だけを出すと、どう魅力的なのかが伝わりにくくなることがあります。
比較対象があることで、配色のまとまり、情報の整理、レイアウトの安定感など、本命案の強みが自然に理解されます。

● 2. 「方向性の幅」を示すための案

クライアントは“幅”を見たがることがあります。
「この方向は違いますよ」というラインをあえて示すことで、本命の方向性が正しいと納得してもらいやすくなります。

● 3. 打ち合わせをスムーズにする材料

本命案がしっくりこなかった場合でも、捨て案をきっかけに話が広がり、
「この色はいいかも」「情報量はこのくらいがいい」など、具体的なフィードバックを引き出しやすくなります。

「捨て案」は適当に作られた案…と思われがちですが、実は本命案を輝かせるための比較軸としての役割を持つことがあります。


あえて方向性をずらした案を入れることで、本命案のまとまりや完成度がはっきりと際立つため、デザイン的にもコミュニケーション的にも意味のある存在です。

まあ、駆け出しの頃の私は捨て案を遊び感覚で適当に作ってしまったこともあったんですけどね。反省。


なぜ“捨て案”が選ばれてしまうのか

ここが一番気になるところだと思います。実は、捨て案が選ばれる理由にはいくつか共通点があります。

1. 直感的にわかりやすい

デザインの意図や背景を理解する前に、ぱっと見の印象だけで判断されることがあります。
本命案のように情報を整理しすぎているよりも、雑味のある捨て案が直感的に「いい」と思われることがあるのです。

2. 目立つ

色や形が大胆だったり、要素が大きかったりすると「これが一番わかりやすい」と判断されることがあります。意図した方向性とは違っていても、瞬間的な好みで選ばれやすくなります。

3. “目的”より“好み”

制作側は目的や要件をもとに案を作っていますが、判断者がそこまで深く考えていない場合、好みで選ばれるケースは意外と多いです。
評価者のセンスがモダン寄りだったり、逆に平成中期っぽいものを好んだりすると、本命案とは違う案に心が動くことがあります。

4. 中庸な案が埋もれる

しっかりまとめた本命案は「完成された雰囲気」があり、保険案は「丸めやすさ」があります。
その点、捨て案は極端な方向性を持っていることが多く、比較したときに目立つため選ばれやすくなります。

5. 逆に“余白”がある

意外ですが、作り込みが甘いからこそ「ここは改善できそう」と判断されることがあります。
本命案よりも手を入れる余地が多く、期待を持たれやすいというのも理由のひとつです。


捨て案が選ばれたときの心の動き

捨て案が選ばれた瞬間、多くの制作者が「本当にそれでいいんか弊社」と戸惑うと思います。

デザインは感覚的な要素が強いため、評価者と制作者の間に認識のズレが生まれるのは珍しいことではありません。だからこそ、選ばれてからの対応が大切になります。

捨て案が選ばれた後にやるべきこと

捨て案を選ばれてしまっても、そこから整えていければ問題ありません。むしろ、立て直しの力がプロとしての大きな価値になります。

1. まずは目的に立ち返る

選ばれた案が現状どこまで目的と合っているかを確認します。
そのうえで、必要な修正点を丁寧に洗い出します。

2. 配色・余白・文字組みで全体を整える

捨て案は構造が粗いことが多いので、基本のデザインルールを丁寧に反映するだけで一気に整います。

3. 必要な部分をさりげなく改善する

「この部分だけ調整してもよろしいですか」と、やわらかい表現で伝えると相手も受け入れやすくなります。

4. 本命案の良い要素を少しだけ取り入れる

方向性を変えすぎない範囲で、本命案の要素を取り込むと、見た目も目的もぐっと整いやすくなります。


捨て案を“仕込む”ときのコツ

そもそも捨て案の作り方を工夫すると、採用された時の負担が大きく減ります。

  • 選ばれても対応できる最低ラインを保つ
  • 方向性を比較しやすいよう、極端な特徴を持たせる
  • 本命との差分をわかりやすく作っておく
  • どの案が選ばれても整えられる構造にしておく

このあたりを意識しておくと、提出後のリスク管理がしやすくなります。


まとめ

捨て案が選ばれてしまうのは、制作側の実力とはほとんど関係がありません。
判断者の好みやその日の気分、直感的な印象など、さまざまな要因が重なった結果として起きることです。

大切なのは、選ばれた後にどう整えるかという点です。
捨て案であっても、目的に沿って丁寧に調整していけば、しっかりとした成果物に仕上げていくことができます。

こうした“あるある”も制作の経験として必ず役に立つので、落ち込まず、次の案件のヒントにしていただけたらうれしいです。

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