「Wixで会社のサイトを作ったけれど、そろそろ限界を感じている」
そんな声、最近よく聞きます。
無料で始められて、テンプレートもおしゃれ。最初の1年目は「これで十分」と感じた方も多いはずです。
ところが運用を重ねるうちに、「データを取り出せない」「表示が重くなってきた」「SEOで全然上がらない」といった課題が見えてくる。
そうなると次に浮かぶのが「WordPressに移行できないかな?」という考えですよね。
この記事では、なぜWixはエクスポートできないのか、そして企業サイトとして安全にWordPressへ移行するための手順を、実務担当者目線でまとめました。
WixからWordPressへの移行が増えている理由
ここ数年、企業サイトや採用ページをWixで運用してきた企業が、WordPressへの移行を検討するケースが増えています。
理由はシンプルで、「最初は良かったけど、運用が進むとつまずく」からです。
Wixは“手軽に見た目の良いサイトを作れる”のが最大の魅力。
デザイナーがいなくても、テンプレートを選ぶだけでそれなりに整ったサイトが完成します。
でも、「公開して終わり」ではない企業サイトの場合、次のような壁に直面することが多いのです。
1. 編集・更新がしづらくなる
最初は簡単だった編集作業も、ページ数が増えるほど複雑化します。
Wixのエディタは「1ページ単位のビジュアル編集」が前提なので、共通パーツの修正が非常に手間です。
例:フッターに電話番号を1桁追加したい → 全ページで手動修正が必要
例:メニュー構成を変えたい → ページごとにずれが出る
WordPressなら、共通パーツをテンプレートで一括管理できるため、こうした作業が一気に効率化します。
2. SEO対策に限界がある
Wixはメタ情報や構造化データなどのSEO設定が最低限に抑えられています。
一見すると「SEO対応済み」と書かれていますが、実際には細かいチューニングができないのが実情です。
- 見出しタグ(H1〜H3)の構造を自由に調整できない
- 画像のalt属性が自動生成されてしまう
- ページ速度が遅く、モバイルでの評価が低下しやすい
- 内部リンクの設計が難しい
企業が「ブログを中心に集客したい」「採用ページを上位表示したい」と考えたとき、WordPressの自由度が圧倒的に有利になります。
3. 外部サービス連携・拡張が難しい
Wixのアプリマーケットは便利に見えますが、海外製プラグインが多く、業務システムとの連携が弱いのが現実です。
- 問い合わせフォームをGoogleスプレッドシートに連携したい
- 採用ページをIndeed連携したい
- LPのCV数をGA4やタグマネで細かく計測したい
こうした要望に対応しようとすると、Wixでは限界があります。
WordPressなら、Contact Form 7 や MW WP Form、All in One SEOなど、信頼性の高いプラグインが豊富に揃っています。
4. 制作会社・担当者が変わると運用が止まる
「前任者が作ったWixの構造がわからない」
「外注したデザイナーが辞めてしまい、編集できない」
こんなトラブルも多いです。
Wixは“誰でも触れる”反面、構造がブラックボックスになりがち。
特定の担当者に依存する形になり、結果として更新が止まるリスクを抱えやすいです。
WordPressはオープンソースなので、制作会社が変わっても引き継ぎがしやすく、マニュアル化もしやすいのが強みです。
5. サイト運用コストを見直したい
Wixは無料プランでも始められますが、独自ドメイン・広告非表示・容量追加などを考えると月額2,000〜3,000円はかかります。
さらに容量制限や機能制限があり、長期的に見るとコスパは良くありません。
一方、WordPressならサーバー代+ドメイン代のみで運用でき、複数サイトを持つ場合も費用を抑えられます。
短期的な「楽さ」より、長期的な「運用コスト削減」を重視する企業ほど、WordPressに切り替える傾向があります。
6. デザインの自由度を取り戻したい
「テンプレートから選ぶだけ」では、他社と似たデザインになりやすいのもWixの弱点です。
特に採用サイトやブランドサイトなどでは、
「なんか、他の会社と似てるな…」
という印象になってしまうことも。
WordPressはHTMLやCSSの自由度が高く、ブランドトーンを反映したデザインが可能。
しかも、最近はArkheなどノーコードに近い運用性×自由設計のテーマも増えています。
✔まとめ:Wixは「スタートアップ」向け、WordPressは「育てていく」企業向け
Wixは「すぐに形にしたい」「1〜2ページの簡易サイトで十分」というフェーズでは非常に優秀です。
ただし、サイトを“資産”として育てていく段階では、WordPressへの移行がほぼ必然。
短期運用のWix、長期育成のWordPress。
どちらも悪くないけれど、目的が変わったらCMSも見直す時期です。
Wixサイトはなぜエクスポートできないの?
Wixを使っていて一番多い誤解が「データをダウンロードしてWordPressに移せるはず」というものです。
でも、実際にはWixのサイトはエクスポート(書き出し)できません。
この仕様には、Wixというサービスの仕組みそのものが関係しています。
1. Wixは「クラウド一体型CMS」だから
WordPressが「オープンソース」で自分のサーバーに自由に設置できるのに対し、
Wixは「クラウド上で完結する専用システム」です。
つまり、Wixのサイトはあなたのパソコンやサーバーに“存在していない”んです。
Wixの中にデータベースがあり、HTMLやCSSのコードは動的に生成されるため、外部に書き出すためのファイル構造が存在しないというのが実情です。
💡イメージで言うと
WordPress:自分の家で料理している(材料もレシピも自分で管理できる)
Wix:レストランのキッチンを借りている(シェフの許可なく材料は持ち出せない)
2. HTML/CSSの「中身」を直接触れない設計
Wixは、誰でもデザインできるようにする代わりに、コードを完全に非公開にしています。
これは「操作ミスでサイトを壊さないように」という安全設計でもありますが、
裏を返せば、HTML・CSSのコードやテーマデータを外に持ち出すことができないという制約にもなっています。
ページを右クリックして「ソースを表示」しても、
見えるのは「Wixが生成した出力結果」だけ。
実際のテンプレート構造やレイアウト情報は見えません。
だから、WordPressのように
「テーマファイルをZipでまとめてアップロード」
といった移行方法は使えません。
3. 画像やテキストも“完全”には取り出せない
一部のコンテンツ(ブログ記事など)は、Wixの「RSSフィード」や「コピー機能」を使って取り出すことができます。
しかし、ここにも制限があります。
- 画像ファイルのURLがWixのクラウド上に固定されている
- ページ構造(段組・見出し・リンク構造)は再現されない
- alt属性などのSEO情報が消える
要するに、文章は移せても「ページとしての体裁」は壊れてしまうのです。
「コピペすればいいじゃん」と思っても、細かい部分が抜け落ちてしまうため、実務ではほぼ“作り直し”が必要になります。
4. Wixがエクスポート機能を提供しない“ビジネス的理由”
もう一つ、現実的な理由があります。
Wixはサブスクリプション(月額課金)型のサービス。
ユーザーがWordPressに移行してしまうと、**Wixのビジネスモデル上は「解約」**になります。
そのため、あえて「簡単に移行できない設計」にしているとも言われています。
もちろんWix側も「離脱を防ぎたい」「他CMSとの互換性を保証できない」という正当な理由がありますが、
結果的にユーザー側から見ると「データを人質に取られている」ように感じてしまうこともあります。
これは批判ではなく、“サービスの設計思想の違い”です。
Wix=囲い込み型クラウドサービス
WordPress=オープンソースによる自主管理型CMS
5. 現実的な対応策は「再構築+部分移行」
ではどうすればいいか。
現実的な方法は以下の通りです。
- テキスト・画像は手動で取り出す(またはRSS経由)
- デザインは再構築(WordPressテーマを選定して作り直す)
- 旧URL→新URLのリダイレクト設定を行う(SEO維持)
つまり、Wixサイトを「そのままエクスポート」することはできなくても、
中身を引き継いで新しい設計で再構築することは可能ということです。
✔まとめ
| 項目 | Wix | WordPress |
|---|---|---|
| データ保存場所 | Wixクラウド | 自社サーバー |
| コード編集 | 不可 | 可 |
| エクスポート | 不可 | 可能 |
| カスタマイズ自由度 | 低 | 高 |
| 移行のしやすさ | 困難 | 柔軟 |
Wixは「貸しスペース」型、WordPressは「自社所有」型。
どちらが良い悪いではなく、目的に合わせて選ぶことが大切です。的です。
WixからWordPressへ移行する安全な手順
WixからWordPressへの移行は、「エクスポートボタンを押すだけ」で完了するような簡単な作業ではありません。
でも、手順を踏めばリスクを最小限に抑えて、安全に・確実に移行できます。
ここでは、企業サイトを運用中の担当者が実際に進める際の流れを、5つのステップで紹介します。
① 現行サイトの構成を洗い出す
最初に行うべきは、「今のサイトがどうなっているか」を正確に把握することです。
- ページ一覧をすべて洗い出す(トップ・事業紹介・採用・ブログなど)
- URL構造を整理(例:
/service/、/recruit/など) - メタタイトル・ディスクリプション・画像パスなどのSEO情報を記録
- 問い合わせフォームの項目や送信先メールアドレスも控える
この段階でサイトマップを作っておくと、WordPress構築時の設計が格段にスムーズになります。
💡コツ:スプレッドシートで「旧URL」「新URL」「301リダイレクト有無」の3列を作っておくと、後半のSEO対策にも使えます。
② デザインとコンテンツを再設計する
WixとWordPressではデザイン構造が根本的に異なるため、「同じデザインにしたい」ではなく**「目的に合わせて再設計する」**という意識が大切です。
たとえば、Wix時代は「とりあえず会社案内を載せるだけ」だったとしても、
WordPressにするなら次のような要素を追加するのがおすすめです。
- 更新しやすい「お知らせ」ページ
- 採用やスタッフ紹介ページ
- ブログ・コラム(SEO流入を狙う)
テーマ選びも非常に重要です。
企業サイトやコーポレートサイトでは以下が定番です👇
- Arkhe(アーキ):デザイン性と運用性のバランスが良い
- Lightning:日本語マニュアルが豊富で初心者向き
- SWELL:コラム・メディア運用を重視する企業に人気
デザイン再現よりも、「更新のしやすさ」「運用の継続性」を優先するのがポイントです。
③ テスト環境で構築する
いきなり本番サーバーにアップすると、思わぬトラブルが起きることがあります。
そこでおすすめなのが、テスト環境(ステージング)での構築です。
- 無料ツール「Local by Flywheel」などを使えば、ローカルPC上で安全に構築可能
- エックスサーバーなどのレンタルサーバーなら、ワンクリックでステージング環境を作れる
テスト段階で必ず確認したい項目:
- スマホ表示で崩れがないか
- グローバルメニューやパンくずリストが正常に動くか
- 画像のalt属性・タイトルタグが設定されているか
- フォーム送信・サンクスページが動作するか
💡企業サイトでは「フォームが動かない」だけで問い合わせ機会損失が発生します。
公開前のテストを怠らないことが信頼維持のカギです。
④ 301リダイレクトを設定する
移行時に最も注意すべきなのがSEO評価の引き継ぎです。
URLが変わるとGoogleの評価がリセットされるため、必ず301リダイレクトを設定しましょう。
.htaccessで旧URL→新URLを個別指定- もしくはWordPressプラグイン「Redirection」で一括管理
特にブログ記事が多いサイトでは、1本でも抜けると検索順位が落ちることがあります。
「リダイレクト設定を制す者が、移行を制す」といっても過言ではありません。
⑤ 公開と動作チェック
最後に、公開作業と最終チェックを行います。
公開時チェックリスト:
- トップページ・グローバルメニュー・フッターのリンク動作
- スマホ・タブレット・PCでの表示崩れ
- Google Analytics / Search Console の再設定
- OG画像・ファビコンなどのSNS表示確認
- SSL証明書(https化)の反映確認
公開後1週間は、アクセスログとフォーム受信メールを重点的に確認しましょう。
✔補足:データ移行を“部分的に”進めるのもあり
全部を一気に移行しなくても、段階的に移す方法もあります。
- まずブログだけWordPressに構築し、Wixサイトからリンクを貼る
- 企業情報ページなど静的部分は後で移行する
この方法ならリスクを分散しつつ、WordPressの運用体制を先に整えることができます。
✔まとめ
| ステップ | 内容 | 目的 |
|---|---|---|
| ①構成整理 | ページとURLを洗い出す | 移行計画の基礎づくり |
| ②再設計 | デザイン・機能を見直す | 更新性・SEO向上 |
| ③テスト構築 | ステージングで検証 | リスク回避 |
| ④リダイレクト | SEOを保護 | 評価維持 |
| ⑤公開・チェック | 最終確認 | 安定運用へ |
“コピー”ではなく“移行設計”が成功の鍵。
WixからWordPressへは「やり直し」ではなく「アップグレード」です。
よくある失敗と注意点
WordPress移行でよくあるトラブルをいくつか紹介します。
- Wixの画像を直接ダウンロードできず、画質が劣化した
- ページURLを変更したのにリダイレクトを忘れて順位が下がった
- テーマを選び直したらデザインが崩壊した
- Wixのブログ記事だけ移したが内部リンクが全部切れた
WixとWordPressは構造が根本的に異なるため、「完全コピー」は不可能です。
“再現”ではなく“再設計”を意識するのが成功のコツです。
【実例】企業サイトでWixからWordPressへ移行したケース
ある地方企業では、もともとWixでコーポレートサイトを作成していました。
しかし担当者が退職し、誰も更新できなくなってしまったとのこと。
この企業では、WordPressに移行することで以下の効果が出ました。
- 管理画面から広報担当が自分で更新できるようになった
- ページ速度が向上し、検索順位が安定
- コラムを追加した結果、月間アクセス数が2倍に
移行は簡単ではありませんが、中長期の運用コストを下げる投資と考えると、十分に価値があります。
まとめ
・Wixのサイトは構造上エクスポートできない
・ただし、再構築+301リダイレクトで実質的な移行は可能
・ページ構成とSEO設定をしっかり管理すれば、移行後の効果は大きい
Wixは“スタートアップの味方”として優れたツールです。
でも、「運用」「拡張」「SEO」を考えたとき、WordPressが最適解になるケースが多いのです。
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